第5回 遊びの中からホンモノの知識を身に着けよう ~全国統一小学生テストについて~

11月3日は、全国統一小学生テストの実施日でした。大江塾(六人塾本部)でも毎回実施しています。

このテストは無料で受験できることに加えて、良質な問題が出されています。学校で習う教科書の範囲も逸脱していないので、塾に通っていない生徒も参加しやすいです。また、成績表もわかりやすくまとめられていて、自分が間違えた問題や難易度もわかり、自分の強みや弱点を発見し、次の勉強につなげることができます。

中学受験勉強をしている子どもも多く受験しますが、基礎的な土台の部分が鍛えられていると点数は伸びやすいです。しかし、詰め込み式の計算や漢字などを反復していても点数は伸びません。

教科出題範囲
算数計算、速さ、割合、時計、並べ方、推理する問題、平面図形、立体図形、思考力を問う問題
国語漢字、ことわざ、熟語、故事成語、物語長文、説明長文
理科生物分野、化学分野、物理分野、地学分野
社会地理分野、歴史分野、公民分野、時事問題
全国統一テスト出題範囲

このように、幅広く学年に応じた問題が出題されています。基本問題も出題されますが、問題文が長いものも多く、何を問われているか、何が問題の本質かをとらえる能力が問われます。そのような問題は一朝一夕で解けるようになるものではなく、日ごろから活字に触れていたり、色々なものに興味を持って調べたり、考える癖をつけていくことで解けるようになります。

最近では、良質な教材も多数あり、それらをしっかりやり込めば点数は伸びていきます。しかし、机の上でペーパーの問題やタブレットを使用して学ぶだけでは、ホンモノの想像力や思考力は鍛えられません。

最高の勉強法は、遊びの中から学ぶことです。「植物を育てて花を咲かせたり、収穫をする」「カブトムシを飼って卵を産ませ、新しい生命を育てる」「いらなくなったおもちゃやパソコンを分解したり、部品を集めて回路を作ってみる」「太陽や月、星空の観察して記録してみる」「家族旅行で子どもに旅行計画を立ててもらい、場所や行き方まで決めてもらう」「コロナの対策など政治の方針を家庭で話し合い誰が一番良い政策を立てられるかを勝負してみる」
楽しみながら、本気で遊ぶことが本当の意味で勉強になります。子どもが興味をもって始めることから取り組むとよいですが、大人の協力も不可欠です。大人も得意な分野から本気で遊ぶことをしてみてはどうでしょうか。不得意な分野なら、一緒に調べて学んだり、専門家のイベントに参加したり、そういった学ぶ姿勢は子供に良い影響を及ぼします。

本気で遊ぶことで知識に対するキャパシティ(容量)がどんどん膨らんでいきます。キャパシティが広がったあとに、学校や塾、いろいろな教材で学ぶんだときに知識が流れ込むように吸収されていきます。キャパシティが小さいと、表面的な知識になってしまったり、吸収できる知識が少なかったりします。

ペットボトルと水で例えると

『本気で遊ぶこと=ボトルを大きくする』
『教材で学ぶ=ボトルに水を入れる』

ということになります。
(遊ぶことが水になることもあるし、教材で学ぶことでボトルが大きくなることもあります)

子どもの興味があることは大人が理解し、本気で遊ばせる。大人も自分が得意なことはもちろん、不得意なことも本気で遊び、学び、子どもの知識を広げる。これがホンモノの知識を養う最高の方法と考えます。