第3回 良い習慣を身につけよう。

「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」これは元メジャーリーガー松井秀喜さんの座右の銘です。

「目標に向かってがんばる!」「あの人のようになりたい!」といったような夢や感動をきっかけに心が変わるのが理想です。ですが、何かしらのきっかけがないと心を変えるというのは難しい場合が多いです。

心が変わるのを待っていては遅いという場合、オススメは「心」ではなく「行動」を変えてみることです。例えば英語の点数を上げたければ、毎日教科書を読んでみると決めて続けてみましょう。最初は「5分だけ読む」「1単元だけ読む」など、簡単な目標にするといいです。続けていけるといつの間にか量も増え、授業もだんだんとわかるようになります。少しずつテストの点数も上がり、その成功体験からまた次の努力をするようになります。そうすると教科書以外の問題集にも手が伸びるようになるでしょう。そこまでいけば英語が得意だという気持ちも芽生えてきます。

ここで大事なのは、とにかく「続ける」ことです。たまにやらない日があっても、そこで諦めずに続けていれば必ず効果が出ます。

しかし、「続けること」が一番難しいということは、誰しもが一度は経験してわかっていることでしょう。では、どうしたら続けることができるのか。本人の自覚以外にも親や家族などの周りの人ができることがあります。

●よく観察してほめてあげる
●一緒に何かを継続する時間を作る
●少し物足りなくても「もっと」や「まだ」という言葉を使わない

よく観察してほめてあげる

子どもに限らず、誰かに努力を認められて褒められるのはうれしいものです。継続しているだけでもすばらしいことだという認識を持ち心からほめてあげましょう。そのときに、具体的にほめてあげるとよいです。
「今日で3日連続だね!すごいよ!」
「前は5分だったけどもう10分もやってるよ!絶対効果がでるね」
「発音が上手になったね、読むのもどんどん早くなっているよ!」


また、私もうれしいんだというメッセージを添えてあげましょう。子どもたちは誰かの役に立っているという気持ちになれます。毎日頑張ることが自分の立場や役割となり、それが続ける理由になります。
「あなたが頑張っているのを見ると、私もうれしいな!」
「あなたの頑張りを見てると、私も〇〇〇を頑張りたくなるよ!」

一緒に何かを継続する時間を作る

何かに集中するとき、目に見えるところに頑張っている人がいると、自分も集中しやすくなります。自習室や図書館などで勉強がはかどる理由の1つです。1人ではなかなか継続できない子どもに対して、例えば読書を継続してほしいなら、一緒に読書をする時間を作りましょう。その場合にはまず一緒にルールを考えて、子どもが納得してからスタートしましょう。そして、最初は10分間だけなど簡単なルールにして、定期的に見直してみましょう。ちょっとしたご褒美も効果的です。
計算練習や漢字練習、英語の音読など一緒に同じことをするのが難しいような場合は他のものでも構いません。仕事でもよいですし、資格の勉強、読書、家計簿などでもよいです。子どもの集中が切れるようなことは控えましょう。わかりやすく頑張っている姿を見せることで「並走型の応援」になり、子供にとっても自分が頑張ることに納得感が出やすいです。

少し物足りなくても「まだ」や「もっと」という言葉を使わない

どうしても大人の観点ではもっともっとと言いたくなります。ルールを決めて行うことは大事ですが、ルールに縛られるのはよくありません。決めた時間より短くても、「今日も頑張ったね」とさらりとほめてあげましょう。子どもの習慣化のためには大人の余計な一言はマイナスにしかなりません。「まだ時間になってないでしょ」「もっとできるでしょ」「なんでこんな簡単な問題ができないの」というような言葉や気持ちを表情に出してしまうと、子どもはとたんに楽しくなくなり、習慣化することを苦痛に思うようになります。
今日できなかったことは棚に上げて、今まで頑張ってきた努力を思い出してみましょう。大人自身の気持ちをコントロールし、心から認めてあげることができれば習慣化のフォローとしては最高です。3か月を目安に注力してフォローしてあげてください。一度うまくいけば好循環が生まれます。

良い習慣は勉強にも社会に出ても必ず役に立ちます。「習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」大人も、子どもも良い習慣を身に着けたいものです。